以下は、RaphaスタッフK先生レポート。
今回は、東洋医学の視点で食事という行為について考えていきたいと考えています。
私達は、毎日食べ物を口にすることで自らの生命を維持している訳ですが、生活習慣病の7~8割は食事と関係している、と言われている事を考えると、これからは医食同源の重要性がますます増していくでしょう。
中国で最も古い薬学書といわれる『神農本草経』などの古典をみると、東洋医学での食べ物に対する考え方は、現代医学からみたそれとは随分大きな違いがあります。
現代医学では、カロリーの高さやタンパク質・ビタミン類などの含有量、アフラトトキシンなど発ガン物質の有無などが問題となります。
料理法もビタミンなどの有効成分が調理時に破壊されないかが重視されます。
一方、東洋医学では『食物にも一定の薬としての効果がある』と認識しています。
また、それぞれの食物は各々の性質をもっており、同じ成分をもった食物でも調理方法によって効果が変化する、と考えています。
例えば大根や豆腐は本来涼性(あとで説明)で大根おろし・冷ややっことして食べれば体を冷やしますが、煮て食べると温性に変化して体を温める作用をします。
具体的には調理方法によってこのような変化が起こります。
① 炒る・焼く・揚げる …温性が高まり、涼性のものは中立になる
② 煮る …温性が高まる。瀉性の物は長く煮ると弱まってくる
③ (天日に)晒す …補性・温性が高まる。柿は涼性だが、干し柿は中立になる
④ 冷蔵庫での保存 …野菜・果物などは涼性だが、冷蔵庫により更に冷やす寒性となる
涼(寒)性のものでも調理次第で温める性質へと変える事が出来ます。
なお参考までに、各食材がもつ薬性を簡単ですが示します(性質が重複する食物あり)
●温性(熱性)【摂取過剰では興奮しやすく、できものが出やすくなる】
…生姜、胡椒、ねぎ、らっきょう、酒、牛肉、鶏肉、もち米はやや温性
●平性【食べ過ぎても寒熱の害はない】
…米、豆類、ごま、キノコ類、豚肉、玉ねぎ、キャベツ、里芋、じゃがいも
●涼性(寒性)【冷え性・胃痛や下痢しやすく】
…なす、トマト、梨、すいか、きゅうり、柿、豆腐、アサリ・カキ等の貝類
●補性【体力増強の反面、肥満・のぼせの原因に】
…米、人参、山芋、スッポンなど
●瀉性【余分な物を排除するが、多いと体力弱らせる】
…小豆、にんにく、きゅうり、昆布など
●寒性【乾燥させる】
…小豆、生姜、鯉など
●潤性【体内の水分を保つ】
…山芋、蜂蜜、胡麻など
他にも、食べ物はお互いに、肝・心・脾・肺・腎などの五行の面でも影響し合っているのですが、それらについては又後日お伝えできたらと思います。
今回、これからのレポートは、特に冷え性の方に参考になればと思っていますので、ご活用して下されば幸いです。
2010-03-13
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿