「痛みとストレスを和らげるセロトニンの力」
東邦大学医学部統合生理学教授 有田秀穂氏
「医道の日本 2010.7月号」巻頭インタビューを読んで
要約しているので、内容が偏る事があるかもしれませんがご了承ください。
今から約100年前にハンス・セリエがストレス学説を出す。
セリエはラットに様々なストレスをかけて、どういう反応が出るか調べた。
その結果、ストレスの種類によらず生体に必ず起こってくる反応として、胃潰瘍、副腎皮質の肥大、免疫系器官臓器の委縮という「セリエの3兆候」が発見された。
これにより、ストレスホルモンとしての副腎皮質ホルモンであるコルチゾールについて研究がされてきた。
ストレス反応を出す経路「視床下部―下垂体―副腎皮質」
下垂体からACTHというホルモンが出て血液中に放出されると、副腎皮質は「コルチゾールを出さねば」と認識する。
うつ病の原因はストレスである。
ストレスが長く生体に加わっていると、うつが出てくる。
そのことに、脳の中で一番関与している物質がセロトニンである。
最近、先ほどのストレス経路の他にもう一つ、精神的なストレスに関する重要な経路が見つかった。
視床下部の室傍核という場所にある、CRF神経がストレス反応の起点となっていることがわかってきた。
また、そのCRF神経がセロトニン神経のある縫線核に影響を与えていることが、この10年くらいの間に明らかにされてきている。
ということは、ストレスホルモンを介することなく、セロトニン神経の働きを抑制させる信号が、CRF神経から直接送られていたわけである。
セロトニン神経を抑制した結果、うつが出てくるという流れが見えてきた。
セロトニンとは神経伝達物質の1つで、大脳を覚醒させ、自律神経や姿勢をコントロールする。また痛みの調整にも重要な役割を果たす。
<セロトニンを活発にする3つの因子>
セロトニンは起き出すと活動が始まる。
1.「リズムの運動」 呼吸や歩行、咀嚼。
2.「太陽の光」 良い覚醒レベルに。
3.「触る」グルーミング
2に続く。
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