2009-09-28

腰痛について K先生レポート

今回もK先生にレポートを書いていただきました。
以下は彼のレポートです。


腰という字は「月(にくづき)」に「要」とあるように、身体のかなめとされています。
 
一方、東洋医学でも「腰は腎の府(=中心的役割)」といわれています。腎は生命力・元気を蓄えるところなので、やはり最も大事な場所です。


そんな体の中心にある場所だけに、負担もかかり、成人の方で今まで腰痛を経験していないという人は、ほほとんどいないのではないでしょうか。


では、この腰痛の原因を東洋医学ではどう考えているでしょうか。
中医学では「不通則痛 通則不痛 (気血が)通ぜざれば すなわち痛む (気血が)通ずれば すなわち痛まず」、と考えます。

特に下半身を冷やす事により、気や血が通らず患部に溜まって痛む、という訳です。
 
そうさせる要因はおもに2つあり、「かぜ」についてご紹介した内容にも関連しますが、①体が弱っている(特に腎)ときに機能不調で腰痛がおこる  ②さらに、風・寒・湿などの外邪が経絡の流れを邪魔して痛みだす、という2段階を経て進行していくと考えます。


中でも「風邪(ふうじゃ)」は「百病の始めなり」とも言われ、他の邪気を一緒に連れて腰痛を引き起こします。例えば、風寒の邪気はすばやく移動してギックリ腰に、風湿の邪気は(水分は重いので)じんわり侵入して、慢性の関節炎が起こる原因となります。


鍼灸の治療ではこれらの障害要因が取り除かれて、気血を流れやすくなる様に促す事で、痛みを改善できるのです。


適応範囲としては、靭帯・筋肉の痛みによる腰痛は幅広く効果を発揮します。例えば、ギックリ腰、筋筋膜性腰痛、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア、などです。

また、生理痛に伴う腰痛に悩んでいる方も、痛みが取れて大変楽になります。


ただ、老化による腰痛の大きい変形による痛みは完治が難しいですが、痛みはハリ治療によって軽減しますので大分動きやすくなり、QOL(生活の質)は格段に向上すると考えれられます。

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